あっという間の転職活動

急展開

2019年のクリスマスイブ、今の職場に残る道が断ち切られた。予定通りこの春には去ることが決定。先のことはひとまず忘れて、年末年始はのんびりと過ごしていた。

そして、明けて2020年のバレンタインデー。新しい仕事の内定をもらうことができた。

失業保険をもらいながら知り合いの会社でのんびりバイトでもするか、職業訓練でプログラムの勉強でもするか。1年くらいの事務派遣でまったり働くか。そんなことを考えていたのに、思ってもみない展開だった。

初めての内定

まず当てにしていた知り合いの会社でのバイトの話がボツになったところから始まった。

ボツになったことを申し訳なく思ってくれたのか、知り合いの会社の中の人が、別の会社を紹介してくれた。

あれよあれよという間に面接がセッティングされて。2月初旬、仕事の合間に面接へ行き、内定の連絡。

30代も終わろうというこの時に、初めての正社員の内定。雇用形態にこだわってはいなかった。面接に行って、初めて正社員募集ということを知った。

願ったり叶ったり

同じ業界で、業務内容も今と同じ。会社の規模は今よりかなり小さくなり、大手から中堅への転職となる。

条件は年収ベースで800,000円程アップする。中堅といっても業界全体がホワイトなため、職場環境が極端に悪くなることはない。何のケチもつけようもない。自分にはもったいないくらいの条件。

業務内容がこれまでより広がるだろうことは想定しているけれど、これまで乗り切ってきたように、これからもその都度乗り切っていくだけだ。

切り換え

内定をもらったといっても、まだふわふわしていて実感がない。そもそも自分が正社員で働くことに対してイメージがわかない。

そして今の職場ではない場所で働くことにもまだ、まったくイメージがわかないでいる。

内定の連絡をもらった後、今の職場で1番に報告したのは、私が残れるように最後まで働きかけてくれた上司の朋子さんだった。

朋子さんは会社にも私にも残れるように働きかけてくれたくれたけど、私が辞めることを決めたときは、友人として最後まで応援するよと言ってくれた、優しく熱い人だ。

朋子さんに報告するとやっぱり自分のことのように喜んでくれて、結果的にこれで良かったのかもしれないね、おめでとう、と言ってくれた。

ボスへの報告

そしてボスの当麻さんへ報告に。ちょうどバレンタインデーのチョコレートを渡そうと、当麻さんの予定は確認済だった。

定時を過ぎた頃、チョコを持って当麻さんの部屋に向かう。チョコを渡して「少しいいですか?」と言うと、何かを察した当麻さんは、去年のクリスマスイブと同じように、「別室へ行こうか?」と言ってくれる。

ただの転職報告ですぐに失礼するつもりだったので、ここで大丈夫です、と伝える。

いつかまた

そのまま当麻さんの半個室の部屋で向かい合って、粛々と状況を伝える。同じ業界なこともあって、当麻さんはあれこれと転職先のことを教えてくれた。

そして一緒にやっていたプロジェクトの引き継ぎのことを話したり、ひとときだけど、久しぶりに二人で楽しい時間を過ごした。

今の会社よりも小さい規模の会社へ移ることを不憫に思っていてくれる節はあったけれど、概ね喜んでくれたように感じた。

いろいろありがとうございました、と伝えて当麻さんの部屋を出る。出世街道まっしぐらの当麻さんが、いつか人事権を全て握られるくらいのポジションになった時、きっと呼び戻してくださいと、心の中でそっと伝えた。

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