一進一退のファーストペンギン

残留のための働きかけ

直接の上司の朋子さんに自分の契約期間の問題を相談して2週間ほど過ぎた頃、人の目の届かない部屋へ連れていかれた。

私が相談した後、タイミングを見計らってボスの当麻さんにアクションを起こしてくれたり、上席の社員たちから情報収集をしてくれたとのことで、経緯を話してくれた。

結論は出ていない。朋子さんは当麻さんに、私の能力を活かした○○という新しいポジションを作って、そこに私を配属させてみてはどうか、という打診メールをしてくれていた。

当麻さんはもちろんそこで何も結論は出せず、預かりとなっていた。それなら、と自分でも残留した場合何をしたいかとずっと考えていて出した答えを朋子さんに伝えて、朋子さんはそれも当麻さんに伝えてくれた。

当麻さんの気持ち

また別の女性社員が教えてくれた。当麻さんと夏ごろに内輪の数名で飲み会があった時、私の契約期間の話になった。

その時に当麻さんは、「表向きはいろいろ問題はあるけど、なんとでもなる」と言っていたと。

お酒の席だからノリで言ったということもあるだろうけれど、少なくとも当麻さんは何とかしたいという気持ちでいてくれているということが、その時に初めてわかった。

暗黙の了解

そんなこんながありながら毎日忙しい日々を過ごしていて、当麻さんとも変わらずに一緒に仕事をさせてもらっている。

2人きりになることも、2人だけでメールのやり取りをすることもあるけれど、私のこの問題のことだけは私も当麻さんもひと言も口にしない。そうと匂わせる言動もお互いに一切しない。

たった一度だけ、当麻さんが私に質問をした。簿記は合格したのか?と。仕事の話の流れではあったけれど、当麻さんが個人的な質問をしてくることは、普段はほぼない。

しかも私は当麻さんに簿記を取ろうとしていることを直接話したことはない。何回も落ちてみっともなくて言えていない。

今できること

私が会社で朝勉強していることは知っているけれど(なぜなら当麻さんは私より早く出社して毎朝勉強しているから)、それが簿記だと話したことはない。

誰かから聞いたんだとは思うけれど、私が資格を取ることができたら、きっと当麻さんは動きやすいんだろうと思う。

だから簿記の勉強にますます力が入ったし、当麻さんや朋子さんがいくら私を残留させようとアクションしてくれようと、会社に納得させられるような自分にならないといけない。

当麻さんや朋子さんに、自信をもって推薦してもらえるような自分にならないといけない。

もともと何の取り柄もなく派遣で転がり込んでここまでやってきた。残り4ヶ月。最後まで全力でやる。仕事も勉強も。

残れても残れなくても、当麻さんや朋子さんに最後まで信頼してもらえるように。笑顔で結論を迎えられるように。

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