サヨナラ~見送る者の役割~

送別会終わる

先日、私が一番思い入れの深かった送別会が無事終了した。少し年下の社員の女性で、退職にあたりいろんなトラブルがあり、それによって一気に距離の縮まった人だ。

平和に過ごしていた時にはそれほど深く話すこともなかったけれど、一緒にトラブルに立ち向かっているうちに本音を話すようになり、職場で心を許せる数少ない関係になれそうな予感がしていた。

一気に仲良くなれたのもつかの間、彼女は間もなく退職。最後に私にできることは、彼女に笑顔で退職してもらえるように、少しでも良い思い出ができるように想いを巡らせることだけだった。

送別会の幹事

彼女の送別会は有志の会ではあったけれど、仲間内の送別会ではなく主に先輩・上司との会になりそうだったので、彼女にとっても私にとっても気を遣わないといけない場面が多く、悩みに悩んだ。

彼女と親しくなっていたとはいえ、交遊関係や仕事上の付き合いまで詳しく知らなかったし、誘う人誘わない人どこで線をひくか、どうすれば不快な思いをする人を最小限に抑えられるか悩む毎日だった。

当日まで

仕事と勉強に励みつつ、送別会の準備に追われた。必ず参加してほしい人には、メールで案内する前に一人一人、日程の調整をお願いしに回った。

職場から近くてほどよいお店を探して予約をした。1ヶ月前に開催のお知らせメールを配信し、2週間前に参加確認のメールを配信し、3日前にリマインドメールを配信した。

贈り物を考えて購入。メッセージカードを手作りする。メンバーに書いてもらう。乾杯で挨拶してもらう上司と、最後に贈り物を渡してもらう先輩にお願いをする。そうしてやっと、当日を迎えた。

あたたかく笑顔で

送別会は13人で開催されることになった。最初に彼女と縁の深かった上司の方が、あたたかく優しいことばを彼女に贈ってくれて場が一気になごやかムードになった。

最後に贈り物を渡してくれた彼女の先輩も、思いやりに溢れたことばを彼女に贈ってくれた。

3時間ほどで無事に送別会は終わった。それから4名は帰宅して、残り9名と、仕事を終えた1名が駆けつけてくれて、10名で二次会に向かった。

ホッとひと息

一次会が無事終わってひと安心。進行と会計を担っていた関係で飲むのを控えていたので、二次会では気兼ねなく飲んだ。

彼女は普段深く話す機会の少なかった上司の人たちとあれこれ話して、叱咤激励をもらっていたようだった。

私はホッとして飲みまくっていたこともあって、その輪を遠巻きにまるで他人事のように眺めていた。

そして改めてこの場所が、この職場が、この人たちが好きだなと思った。この場所を自分の居場所にしたいと思ったし、守りたいと思った。

3月の最終日、彼女は笑顔で退職していった。私は最後に良い贈り物を出来ただろうか?楽しい場所だったと思い出してくれる日が来ればいいなと思う。

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