まさかの点数評価
「、、、そういうわけで、渚さんの点数は77点です」
契約社員になって1年の更新時期がやってきて、更新にあたり人事部の部長と部署の管理職と自分の3人の面談があった。
てっきり更新するかしないか程度の話なんだと思って気軽に面談に行くと、契約社員になってからの1年の仕事ぶりをガチで評価されて、それを言い渡されるという予想外の展開だった。
私がこの1年関わったプロジェクトの各マネージャーにヒアリングをして、点数化したという話だった。
明瞭な評価制度
どのプロジェクトが評価対象になったのか、どんな内容で評価されたのか、明確な説明があって、自分としては特に不満や異論はなかった。
契約社員になるときにそんな説明あったかなと思ったけれど、説明があったとしても行動が変わるわけでもないし、まいっかと思い至った。
点数によってAとかBとか5~6段階くらいに分けられて、それによって給料テーブルが変わるらしい。私の77点という点数は上から2番目の評価で、標準よりも1つ上の評価ということだった。
うれしいというよりも
たんたんと私に対する評価を言い渡されて、ただただポカーン(゚д゚)とする。今の部署で契約社員になったのは私が初めてで前例がなく、何の情報も持っていなかった。
「この評価結果をふまえて給料ベースが3千円アップします。この条件で契約更新をお願いできますか?」
ポカーンとしている私を置き去りにしてどんどん話は進む。もともと契約更新希望だったし、そもそもその時点で契約期限まで半月ほどになっていて、更新はお互いに暗黙の了解事項だった。
それでも「よろしくお願いします」と私が伝えると、面談してくれた2名もホッといていた様子で、私もそこでやっと我に返った。
ありがたいやら
時間にすると15~20分程度だったように思う。何か困っていることや業務上で大きな負担はないかと聞いてくれたり、評価制度について説明があったりで穏やかに面談は終了。
オフィスに戻る道すがら、この1年のことを思い返していた。いろんなプロジェクトでいろんな経験をさせてもらった。細かくはイヤなこともストレスもあるけど、それ以上に得るものが大きい。
関わる人も良くしてくれるし、楽しくやっている。実際に面談でも「楽しく働かせてもらっています」と伝えた。
しかしまさかこんなにガチで評価されるとは、夢にも思っていなかった。まじめにやっといて良かった。私を評価してくれたであろうマネージャーたちの顔が思い浮かんで心の中で手を合わせた。
これからの1年
しかしよくわからない。契約社員は1年更新で最大3年だ。正社員にするシステムは現状ではないと言われている。そんな使い捨ての非正規社員に、なぜここまでするんだろう。
私はたまたま良い評価をもらえたけれど、使えない契約社員を切るための制度なのか。up or out(昇格か、さもなくば退職か)の外資系カルチャーか。正社員だとカウンセリングアウト(退職勧告)が秘密裏に遂行されている噂も聞いている。
こんな評価制度があるとは。これからの1年こわいな。だけどこの1年もやれるだけのことをやってきたし、これからもやれるだけのことしかできない。
今回の評価のことはありがたく胸に刻んで、そしてもう忘れようと思う。私は上を見て仕事する人が嫌いだし、評価を気にして仕事をするのは本意ではない。ただ楽しく働きたい。
今はすごく楽しい。楽しかったと言って3年を終えたい。やれることやったしたくさんのことを得たと思って、満を持して契約を終えたい。
そのためにこれからの1年もぼちぼち、自分のやりたいことをやりたいようにやろうと思う。