同僚の退職がつらい

さよなら

同僚の村本さん(仮名)が退職することになった。村本さんとは同じアシスタント職で、入社した時期も派遣社員から契約社員になった時期も近かった。

配属されたチームも同じで、同じプロジェクトで一緒に仕事をする機会も多く、職場では最も身近な存在の女性。そんな村本さんが転職することになり、今月の出社日も残りわずかとなってきた。

月に1~2人ペースで退職者がいるような職場にいて、今までたくさんの人を送り出してきたけれど、こんなにも身近な人がいなくなることは初めてで受け入れられない。

村本さんとは困った時にお互い助け合う関係だった。私に足りないものを村本さんはもっていて、村本さんに足りないものを私がもっていた。

得意分野が違っていたから、同じチームで補い合ってうまくやってきた。おかしいと思うことも同じだったし、スピード感や求めるクオリティのイメージも似ていた。仕事に対してもまじめで、朗らかな人柄も好きだった。

動揺

他にも同じチームに同職の女性は数人いるけれど、一緒に仕事をしたいとは思えない。違うチームに仲良しの人はいるけれど、愚痴は聞いてくれても仕事の相談はできない。

私はこの職場に来て初めて、不安な気持ちでいっぱいになった。退職のことを聞いてから仕事が手につかない。この先職場で困ったことがあったら、ひとりでどうやって乗り越えていったらいいんだろう。

村本さんにとっては良い条件での転職なので、本当なら一緒によろこんであげないといけないのに、どうしてもこれからの不安が先行して暗い気持ちになる。

それでもエイヤと気持ちを立て直して、送別会ランチの段取りをする。気心の知れたメンバー10名ほどを選んで声をかけて、日程などの設定をする。

別件で社内の飲み会の幹事も担っていたので、並行して段取りをしながら仕事をしてバタバタと過ぎた1週間だった。

大切な日々

村本さんとはこれからもずっと、契約期間があるうちは一緒に仕事ができると思っていた。だけど人とのつながりに絶対なんてないんだ。

特に今の職場は誰もが通過点で、3年後にはメンバーが半分入れ替わっていてもおかしくはない。自分がそんな環境にいることをすっかり忘れていた。

仕事にも人間関係にも慣れてきて毎日楽しくて、それが当たり前だと思っていた。だけどそうじゃない。大事にしないといけない。仕事も人間関係も、いつまでも同じではいられない

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