心が乱される
この1ヶ月、仕事のためと思って何かと自分の存在をアピールしていた既婚上司の高橋さん(仮名)。ミイラ取りがミイラになってしまったのか。
信頼してもらいたくて近づけば近づくほど、彼の人柄に惹かれてしまう自分がいた。自分をアピールするつもりが逆に自分の中でどんどん大きくなっていく彼の存在。
私よりちょっとだけ年上。好きなタイプの顔。体格。穏やかな人柄。公認会計士でタイトルはマネージャー。年収1000万クラスのエリートで英語もペラペラ。自分とは全く住む世界が違う。
そしてもちろん、結婚している。幼稚園~小学生くらいの子供がいるのは知ってるけれど、家族構成は知らない。
とまどい
公認会計士と言っても今は監査をしている人ではないので、終日オフィスにいて仕事をしている。
数ヶ月前から同じオフィスになったものの、直接話したのは私が社内営業活動を始めたここ最近のこと。
1日1回は雑談をしようと話しかけるネタを絞り出して、高橋さんのことをいろいろ知るうちに、個人的な興味が沸いてきてしまった。
自分とは全然違う世界に住む人だ。私はただの事務アシスタントだし、気軽に話しかけるのも遠慮してしまう。
最初は迷惑かもしれないなと思いながらも仕事ためと思って距離を縮めていると、思いがけず謙虚で優しく、そして楽しく、日に日に気持ちが揺れていくのがわかった。
大きくなるとまどい
1日1雑談を目標に営業活動を始めたもののなかなか手応えはない。話しかけたら親しげにいろいろ話してくれるけれど、高橋さんの方から話しかけてくれることはほとんどなかった。縮まらない距離感にモヤモヤとしていた。
長期戦は覚悟していたし、本当に嫌なら座席を変えるだろうと図々しい考えで過ごしていた。(フリーアドレスなので職場での座席は自由)
具体的に起こしていたアクションとしては
- 近くに座る
- 1日最低1雑談
- 情報収集
- 自己開示
- 貢ぎ物をする
これはコミュニケーションについての本を読み漁って実行に移したものだ。ちなみに貢ぎ物っていうのはチョコとか飴とか、ちょっとしたもの。
私はトマトジュースを差し入れした。情報収集で飲み会続きで二日酔い続きという話を聞いていたので、飲み会の翌日、二日酔いに良いものを差し入れ。
ちょっとやり過ぎかもという不安はあったものの、仕事のため仕事のためと思いながらコンビニでトマトジュースを探す自分の中に、仕事以上の感情があることは否定できなかった。