必要にせまられる
諸事情で、職場の人と急速に信頼関係を作らなきゃならなくなった。しかも自分とは別世界に住む、おそらく全然違う価値観の持ち主。キャラも知らないし、個人情報もほとんど知らない。
コミュニケーション能力が低く、貝のように殻に閉じ籠っている自分でいる限りでは、信頼関係を築くのは不可能だ。私は変わらなきゃいけない。
普通なら仕事を通してコミュニケーションをとるんだけれど、しばらくは諸事情でそれができない。完全なる自力である人との距離を縮めなければいけない。ハードル高すぎるよ、と思いながらも悩む日々。
距離を縮める方法
とりあえず毎日、近くの席に座って自分の存在をアピールする。これはフリーアドレス(自由席)の職場だからこそできる技だ。
そして毎日何かを話しかける。まずは挨拶から。今の職場はあまり挨拶をする習慣がない。来るときも帰るときも、みんなふわっと出入りする。なので挨拶するのが効果的なのかはわからないけれど、とりあえずやっとく。
仕事の共通点もほとんどなくて、世間話できるほどの親しさもなくて、最初はほんとに困った。どうすればいいかわからなくて、せっかく話せても、私のコミュニケーション能力不足であまり話が続かなかったり。
1番の苦手科目
コミュニケーション能力の低い自分にとって1番の難関は、自己開示だ。私は昔から自分の気持ちや意見を誰かに伝えるのが苦手で、職場では特にプライベートの自分を見せたくないし知られたくないしで、あまり感情や個人情報を見せずにやってきた。
必要最低限と思われる社交性のみ発揮して、それ以外は貝のように殻に閉じ籠ってやり過ごす。結果的にそれが人間関係を円滑に保つ方法だと信じて今にいたっている。
だけど信頼関係を作るときに”自分を知ってもらう”ということが、とっても大事なことというのも知っている。自分のことを話すことで、相手を信頼していると伝える。
すごくよくわかる。私だって、誰かが自分のこと特にプライベート寄りのことを話してくれるとうれしい。私のことを信頼してくれているんだなと感じる。しかし、はたしてそれが自分にできるだろうか?
初めての挑戦
職場ではあまり自分から話しかけたりしない私が、特定の人にちょこちょこ話しかけて、他の人から見たらさぞ違和感があるだろう。そんな中で今日は特に違和感があることをした。
その人はベテランの公認会計士さんなんだけれど、その人に、今週末の簿記試験の相談をしたのだ。
それもしどろもどろで何のオチもなく、途中で変な汗をかきながら、顔を赤くして、会計士さんに仕訳ができないことを愚痴ったのだ。
落ちたらみっともないので、職場では仲良しの女性以外には誰にも言ってない。公認会計士さんに簿記3級の相談をするなんて、ピノキオが人間になりたいと相談するくらいバカげた話だ。
不安しかないけど
その人は仕事の手を止めて、私の勉強の悩みをうんうんと優しく聞いて、アドバイスをしてくれて、自分の経験を話してくれたり、親身になって励ましてくれた。
少しは私のことを知ってもらえただろうか。仕事中に仕事に関係のない話をしてイヤがられてないだろうか。いつか私と打ち解けてくれる日が来るだろうか。仕事で必要なとき、私を思い出してもらえるだろうか。
不安だらけの日々だけど、毎日こつこつと、あまり近づき過ぎず、とは言っても忘れられないように、距離を縮めていけたらなと思っている。