見た目の重要度
最近、飲み会で知り合って土曜日に飲みデートをしてきた営業マンのタケさんのことを考えていた。まだ2回しか会っていないから彼のことについてはほとんど知らないと言ってもいい。
だけど飲み会で知り合ってまた会ってみたいと思ったのは事実で、飲みデートをしてみてまた会いたいと思ったのもこれまた事実。婚活というにはラフな出会いだけれど、見知らぬ人にまた会いたいと感じることもあまりないことだと思う。
タケさんは見た目が私の好きなタイプとは正反対な人とは言え、生理的に無理というわけではない。服装はダサくなくてカジュアルで清潔感はあるし、背は私よりも高いし、髪も減ってなくて年齢相応に見える。変なにおいもしない。
雰囲気的にはSEとかやっていそうな非モテ理系男子という感じ。私の好きな見た目のタイプと言えばがっちりガテン系。細いなら太っている方がいい。まさに正反対。
しかしこの期に及んで見た目がタイプじゃないとかごちゃごちゃ言ってる場合なんだろうか、という思いがわいてきた。
見た目以外の重要度
見た目がガチでタイプの人とお付き合いしたこともあった。確かに見た目が好きなタイプだと良いことも多かった。自分のテンション高くいられるし。しかし最後は相手の性格とか相性とか、見た目以外の部分も同じように大事なのはもうわかってる。
タケさんは見た目こそ非モテ理系男子だけれど、中身はチャラ系末っ子男子だ。営業職という職業柄なのか、コミュニケーション能力がすごい。私のしょうもない話をすごく聞いてくれる(ように見える)し、話を広げてくれるし、自慢話や武勇伝はしないし、自分からもいろんな話題を出してくれる。
女性の扱いにも相当慣れている感じがする。押し引きが絶妙で、強引さはあるけるれどそれでいて失礼なことは絶対にしないという安心感がある。タケさんは20代にバツイチになった過去がある人だけれど、やっぱり1度でも真剣に女性と向き合った経験のある人はこうも違うものなのかと思う。
手を繋ぐということ
飲みの後カラオケへ行っておしゃべりしていると、タケさんが「一生に何回かのうちの一回のお願いがあるんだけど。」と言ってきた。身構える私。カラオケは向かい合いの席があるにも関わらず、タケさんは私の隣に腰をおろしていた。
歌ったりしゃべったりしている途中で改まって言われたので、もしや付き合ってとかホテル行こうとか言われたらどうしようと思いつつ、「とりあえず言うだけ言ってみてください」と逃げる私。「言うからには叶えてくれないとダメ」と意味不明の理屈を押し付けてくるタケさん。
押し問答しててもしょうがないので聞いてみると、「手を繋いでもいい?」というかわいい?お願いだった。
タケさんは全体的に細いわりに腕だけはゴツゴツとしていて男の人の手という感じがしてきゅんきゅんしていたので、「いいですよー」と軽く手を繋いだ。
軽く繋ぎはしたけれど、この手を繋ぐという行為は体を重ねる以上に重要な意味がある、男女の分岐点だと思う。手を繋いでダメだったらもう何もできない。手を繋げない人との未来はそこで閉ざされるも同じ。
うん。大丈夫。すんなりと繋げた。にこにこしているタケさん。この流れでキスされたらどうしようと思ったけれど、そこまでは言われなくてひと安心。
しかし1回手を繋ぐと二人でいる時は手を繋ぐのがデフォになってしまうのがこわいところだ。タケさんとは今度の週末とその次の週末も会う約束をしている。
さすがに慣れている人はテンポが軽妙だなと思う。このままとんとん拍子にお付き合いすることになるのかな。もはや見た目はどうでもいいような気もしてきた。