お付き合いは順調だった
当時私はのっぴきならない事情で、両親が経営している下町の中小企業で財務関係の仕事をしていた。とは言っても週に20時間程度しか働いていておらず、三谷さんとは頻繁に会うことができた。
映画を観たりごはんを食べたり普通のデートをしていた。三谷さんの家で一緒に料理を作って食べたりもしていた。
外出先では三谷さんが費用を負担してくれることが多かったので、家でごはんを食べる時は三谷さんからのリクエストを聞いて、私が大まかな材料などを買って三谷さんの家へ持ち込むか、自宅で作って持っていったりしていた。
電車を2回乗り換えて一時間程度はかかる道のりだったけど、結婚を目的としてつき合っていた私は料理アピールをするためにせっせと三谷さんの家へ通っていた。
婚活で出会った人との恋愛?
その頃の自分の気持ちとしては、めちゃくちゃ好きというわけではないけれど、一緒にいてもそこそこ楽しいし、普通に優しくしてくれていたので、私もそこそこ好きかなというくらいにはなっていた。
人間44才にもなれば男女既婚未婚関わらず、誰にでもおやっ?と思うことはある。三谷さんに対してもおやっ?と思うことはときどきあったけど気にしないようにしていたし、許容範囲ではあったのでお付き合いは続けていた。
MAX100%だとしたら、65%くらいは好きな気持ちだった。あとの35%は婚活フィルターでなあなあでやり過ごしていた。
そしてお付き合いスタートして3ヶ月程が過ぎたある日、私はどうしても確認しておきたいことがあり、意を決して三谷さんに尋ねてみた。
「近い将来に私と結婚する気持ちはありますか?」と。