カワイイポケモンタチ
風が心地よい夏の夜。ピンクの花ビラが舞い散るベンチに彼と二人で並んで座る。交わすことばもなく夏の夜を楽しむ。
30分もたたないうちに、彼が「少し歩こうか」と私につぶやく。肩を並べて歩きだす二人は夜の闇に消えていく。
久しぶりに会った彼は例のスマホゲームにはまっていた。私も初日にアプリをダウンロードしてぼちぼち楽しんでいる。
日が落ちるのを待って、二人でスマホを片手に近所をお散歩する。近所に何ヵ所もポケモンが寄ってくるスポットができている。
そのスポットをなんやかんや言いながら彼と歩く。私も彼もポケモン世代とはかなり離れている。だけどこういうのは楽しんだもの勝ち。いろいろ問題視されている部分もあるけれど、節度をもって楽しめばいいと思う。
まだやってない人は一度でも試してみればわかる。ゲームの楽しさはわからなくてもその技術には誰もが驚くはず。かわいいポケモンたちが自分のすぐ目の前にいる。そのリアル。
個人情報は生年月日と位置情報を抜かれるくらいか。それくらいで最新技術が試せるなら安いもんだと思う。
体験してみてアプリはまた削除すればいい。これからきっともっと大きな技術が生まれて、私の想像にも及ばない何かとんでもなく楽しいものが遠くない未来にできてるだろうと思える。そんなわくわくするようなアプリ。これを知らないのは単純にもったいないと思う。
社会現象のリアル
近所を巡っていると、あるスポットで犬を連れた妙齢の女性とアラサーくらいの夫婦に二人の幼児の家族連れに出会う。
おそらく近所の人で普段ならすれ違っても目も合わせなかっただろう。だけどそのスポットであーでもないこーでもないと少しおしゃべりをする。社会現象ってこうことを言うんだろうな。
私はポケモンよりも女性が連れているリアルの犬に夢中。今まで想像もつかなかった彼とのお散歩。ご近所さんとの交流。
一時のことかもしれないけれど。ブームはいつかは去る。だけど今のこの楽しい体験はずっと残る。まだやってない人はやってみて。楽しいよ。