翌日はまた夕日を撮りに行った。
前回行った場所と同じ。
この夕日スポットには
なるべく来たいと思ってる。
この日も分厚い雲が空を覆っていて
撮影できるかどうか不安。
ただ前回行ってわかったのは
雲がある空はそれで
その美しさがあるってこと。
夕日は見えなくても雲の間から
洩れる光の美しさは変わらない。
今回は他にもカメラを持って
夕日の撮影に来ている人がいた。
カメラの準備をして
空を眺めながら缶コーヒーを飲む。
どんより曇り空のその刹那
丸くて赤い夕日が姿を見せた。
前回はあんなにもオレンジだったのに
今回は本当に赤くて。
ぼーっとコーヒーを飲んでいた私は
あわててカメラを持ち直す。
立派な一眼レフを構えて
撮影しているお兄さんの隣で
私もなんとかシャッターを押す。
夕日はなぜあんなにも
早く沈むんだろう。
あっという間に暗くなって
夕方は終わった。
私はその一瞬をしっかりと
切り取れただろうか。
その一瞬はもう二度と戻ってはこない。
どんなに美しくて
どんなに幸せでも
同じ瞬間はもう二度とない。
大事にしないといけない。