答えのようなもの1

また日常が始まる。

いつも通りに家を出て職場に着いていつもの自分のデスクに座る。いつも通りなのに何か違う。体が軽い。心が軽い。いつもの職場の風景が明るく感じる。

ロングドライブしながら思った。こうやって彼は今はまでずっと一人で前を見て生きてきたんだ。ただ前を見て生きてきてこれからもそうやって生きていく。

私と居るときは私と一緒に前を見ようとしてくれてた。なのに私は前を見てなかった。いつも車の助手席に座ってた私は運転席の彼の方ばかり見て、彼が見ている方向を見ようともしていなかった。

彼はいつも運転しながら私が喜ぶような景色を探してくれていたのに。私は誰かとつき合うってことはお互い向き合ってぶつかり合うことだとずっと思っていた。

確かにそれはそうなんだけど、ただ自分のエゴでやみくもにぶつかり合うことと、お互いを想い合ってぶつかり合うことの区別がついていなかった。

私はいつも彼にたくさんたくさん優しさをもらっていたのに、私は彼がどうすれば喜んでくれるのかどうすれば彼を幸せにできるのか全然わからなかった。

それはきっと彼の見てるものが見えていなかったから。見ようとしていなかったから。

それがたぶん彼と私と決定的に違う部分。そして彼にとってはその決定的に違う一部分が全部だった。だから私と離れた。

今さら気づいてもどうしようもないことばかりだけど、だけど気づけて良かった。

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