カラ元気だったけど少しずつ気持ちも落ち着いてきていた。ありがたかったのが、私のことを気に入ってくれて異常なまでに私を褒めちぎってちやほやしてくれた男性が現れたこと。
飲み会で知り合った同い年の男性で、そこそこの会社で真面目に働いている。話してても普通に楽しくて、好青年って感じの人だった。
毎日連絡をくれて、後日1度だけ二人で飲んだ。それなりに楽しかったし女として人として自信喪失してた自分にとって、誰に慰められるよりも元気になれた。
二人で飲んだ時、帰り道でその人が手を繋いできた。人の温もりで、彼を思い出した。隣にいるのが彼じゃないことが不思議で悲しかった。
その人とは二人で飲んだ後も連絡をとっていて、また会う話しもしていたけれど結果的にはそれきりになった。少しずつ元気が出てきていた私だったけど、それはあくまでもカラ元気で、男性と個人的な関係をつくることに全然前向きにはなれなかった。
いろんな人と話すのは好きだったし、とにかく外にでなきゃいけないっていう強迫観念的な気持ちから、とりつかれたように出会いの場に出かけてたくさんの人と話した。
男女も年齢も職業も国籍もバライティ豊かでいろんな人がいた。売れない芸人さんとの合コン。セレブのタワーマンションでホームパーティー。バーでアメリカ人男性と仲良くなって数年ぶりのクラブ遊び。在日の男性と友達になったり。
カラオケ仲間で長時間カラオケからの焼肉パーティー。雨の中でバーベキュー。カフェで自己啓発系のスイーツパーティー。飲み会の二次会で会員制の高級なバーへ連れていってもらったり、オフ会の飲み会にも参加した。
2ヶ月くらいはとにかく誰かと会っていた。出かけていないと見えない何かに押し潰されそうになりそうだった。