大好きな人がサーファーだった。
暖かくなったらサーフィンを
教えてもらう予定だったのに
暖かくなる前に
彼は離れていってしまった。
真冬でも海に入ってる人だった。
数回、彼の波乗りに連れていってもらって
彼が海に向かっていく姿を眺めていた。
素敵だった。
真冬の日本海で死ぬほど寒いハズなのに
どきどきして寒さを忘れた。
彼のことも、海も、サーフィンも、
大好きになった。
彼に夢中だった。
出逢ってすぐ、大好きになった。
一緒にいたのはたった数ヶ月のこと。
あっという間に離れている期間の方が
長くなってしまった。
離れることを選んだのは彼。
私は自分が悪かったとしか
思えないけれど
たぶんどっちが悪いとかは
ないんだろう。
彼が本気のサーファーだったことは
つき合うまで知らなかった。
そもそも本気のサーファーって
どんな人なのか
どんな世界に生きてるものなのか
私は全く知らなかった。
カッコイイなあ。
けどチャラチャラしてる感じだなあ。
と漠然と思っていた。
自分とは無縁の世界に生きてる人だと
思っていた。