卵巣嚢腫で卵巣片方摘出した話
27才のころ。ある日、生理でもないのに出血がありあわてて街の婦人科に駆け込みました。そのときの出血に関しては原因はわからなかったんですが、卵巣が片方腫れてるから大きな病院でみてもらってと、紹介状をもらいました。
あわてて大きな病院で診察を受けると、卵巣が片方かなり腫れてる、すぐにでも摘出しないといつ破裂するかわからないと言われました。
それまで生理は毎月定期的にあって生理痛も軽い方で、まさか自分が婦人科系の病気にかかっているとは夢にも思いませんでした。腫れてるといっても痛みなどの症状もありませんでした。
開腹手術の不安
今思うと、卵巣を片方とるなんて大変なこと、セカンドオピニオンを受けていれば良かったと思います。診察をしてくれた先生はすごくいい先生だったけど、10年経っても本当に取るしかなかったのか、とたまに思ってしまいます。
27才という年齢で卵巣片方とるなんて、、女性としての何かを失うような絶望感に苛まれました。手術の経験なんてなくて卵巣を取るのもこわかったし、開腹手術もこわかったし、全身麻酔もこわかったし、とにかくなにもかもこわかった。当時つき合ってた彼がいましたが、卵巣を取るということは言えませんでした。
働き者の卵巣
手術はあっさりと終わりました。開腹手術をした後もかなりうすくなって、言わなきゃわからないくらいの傷跡です。生理もすぐにきて、手術前と何が変わったかと言われると何も変わりません。
卵巣は毎月左右交代交代で働いているから、片方だと生理は2ヶ月に1回になるのかと素人考えだと思ってしまいますが、片方の卵巣が毎月働いてくれます。
妊娠、出産すると1年は卵巣もお休みできるのに、私の場合は休みも与えず摘出した卵巣の分まで残った卵巣に働かせて、まさにブラック企業です。
卵巣が片方だけのリスク
卵巣が片方でも毎月生理はあるし、妊娠出産も可能です。歌手の宇多田ヒカルさんも若い頃に片方摘出されたそうですが、出産されています。
ただ、残った片方の卵巣にもしも何かあった場合、もう代わりに働いてくれる卵巣はありません。派遣社員じゃないので誰にでも代わりがきく仕事ではないのです。なので大事にしないといけません。
卵巣片方だけの人生
手術後は半年に一度、1年に一度、数年に一度、とだんだん間はあけて大丈夫になりましたが、定期検診には行っています。年齢が上がってきて妊娠出産が現実的ではなくなってきたので、最近はあまり深刻にはならなくなってきましたが。
だけど妊娠出産できないのと、可能性はあるけれどしないのとでは雲泥の差があります。それは女性としてのアイデンティティというか、何と言っていいのかわからないけれど。このことは親以外知りません。
特別に生理痛が重いとか不順とかいうこともありません。卵巣両方あっても生理不順で悩んでる方はたくさんいます。生理前に気分が落ち込みますが、他人にぶつけないで済むくらいのものです。
こわいけど大丈夫
もし悩んでいる女性がいたら、そのときは大丈夫だよ、と言ってあげたいです。私は妊娠出産してませんが生理が毎月定期的にあるということはハッキリと言えます。
あともしも時間が許されるなら、セカンドオピニオンを受けて、完全に納得してから摘出してほしいということです。
病気がわかったときは自分を責めましたが、卵巣の病気はほとんどが自覚症状もないし、何をしたから病気になるとかそういったことは言えないらしいので、自分を追い詰めないでほしいです。
運が悪かったのです。当時、病院の待合い室でメソメソ泣いていたら、担当の先生がそういって励ましてくれて、がんばれたのを覚えています。